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小論文研究会2018配布資料

6月29日(金)に学研本社ビルにて行われた、小論文対策研究会に、日本語科の佐々木が参加してきました。

昨年に続き、2回目の参加になります。

講師は、月刊情報誌『学研・進学情報』の監修をされ、また全国で生徒向け・教師向けに小論文対策講座をされている、大堀精一氏でした。

前半は入試対策編として、主に課題文や資料・データを読んで書くタイプの小論文について、最近の傾向などを聞きました。

後半は、小論文指導編として、志望理由書を書くときのポイントや、良い答案とはどのようなものかについての説明がありました。

小論文の頻出テーマ

AI

「AIに仕事を奪われる」というメッセージが社会に広がったことで、2017年度以降、AIに関する出題が激増しました。

今後もこの傾向は続くと見られています。

その中でも、「AI社会で生きて行くのに求められる視点」が重要視されているそうです。

例えば、今後は「病気を見るのはAI、患者を見るのが医者」になっていくと言われています。

 

機械学習による医用画像診断支援
機械学習による医用画像診断支援(人工知能研究センター)
https://www.airc.aist.go.jp/utility/medical.html

 

AIは、画像データなどを見て病気を一瞬で見抜くことはできますが、患者一人一人に対する臨機応変な対応はできません。

このように、AIにはできること、できないことがあります。

「AIのおかげで仕事をしなくてもよくなる」と楽観的になることはできないし、一方で、「AIにすべて奪われる」と悲観的になるのも、AI社会の正しい捉え方とは言えません。

これから社会に出ていく生徒・学生たちは、仕事に効率性が求められる中で、AIとともに仕事をしていくことは避けられないことでしょう。

そこで、仕事と関連づけながら、極論に走らずAI社会を冷静に論じることができる能力が求められているのです。

人口減少と高齢化

高齢化とは、人口に占める高齢者(65歳以上)の割合が高くなることで、必ずしも「高齢者が増えること」ではありません。

高齢者が減ったとしても、人口そのものが減っていけば、高齢化は進んでいきます。

2007年、日本の高齢者の割合は21%を超え、世界で初めて「超高齢社会」になりました。

小論文では、この高齢化対策についての問題が出題されます。

外国人(移民)受け入れ、女性の活用、高齢者の再雇用、またAIの活用などです。

AIの問題もそうですが、グラフや資料等を読み取って記述するものも増えています。

 

内閣府発表H30高齢者白書より 高齢者が減っても、人口が減れば高齢化率は上がる
高齢者が減っても高齢化は進む (内閣府発表 H30高齢者白書より)

大事なのは、テーマや課題の理解

後半の小論文指導編とも合わせて聞いて、与えられたテーマや課題の理解が重要だと感じました。

課題文を読んで小論文を書く場合は、「筆者が提示する、常識論とは違う視点」を読み取ることが重要になってきます。

その上で、自分の主張や根拠を書く必要があります。

この際、テーマが何かを理解し、課題文で筆者がどんな常識論についての異論を述べているのかを理解していなければ、ただの自己主張にすぎません。

また、与えられた資料や図は、考える大きなヒントでもあるし、またそこから何か読み取って欲しいからこそ与えられているものでもあります。

それをつかんで小論文に反映できるかが、とても重要なのです。

志望理由書を通して、将来をデザイン

志望理由書といえば、推薦入試やAO入試を受験する生徒にとって必須のものと考えられています。

しかし、近年では、推薦やAO入試を希望する生徒が少ないいわゆる「進学校」でも、早い段階で志望理由書を書かせる傾向があるそうです。

志望理由書は、目指す大学や学部についてよく調べ、また大学での学びをどう仕事に結びつけていくのかを考えなければ、書くことができません。

お話の中で驚いたのは、「いい志望理由書を書くためには、一度志望校のことを忘れることも必要」と言われたことでした。

まずは自分が何をして生きていきたいのか、何をしたいのかを考えることからスタートしないと、パンフレット情報の写しや志望校の長所を挙げるだけで終わってしまいかねません。

本当に自分がやりたいことが何なのか、自分とよく向き合って志望理由書を書くことが、結局は良い志望理由書につながります。

 


 

会場写真撮影不可のため写真はないのですが、他校の小論文指導資料の展示等もありました。

 

そろそろ、AO入試を希望する生徒の願書提出準備が本格的になっていきます。

「志望理由書は、指導ではなく支援するもの」という言葉が印象に残っています。

今回の小論文研究会で学んできたことを生かして、生徒のより良い進路選択のために、教師として精一杯サポートして行きたいと思いました。

 

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