高校生の選択科目、古文・漢文の授業で、競技かるた(百人一首)を行いました。
競技かるたとは
競技かるたとは、漫画・映画「ちはやふる」で有名になった、「小倉百人一首(おぐらひゃくにんいっしゅ)」を使用したかるたです。
小倉百人一首とは、13世紀ごろ、小倉山に別荘を作った宇都宮頼綱(うつのみや よりつな)の依頼で、藤原定家(ふじわらの ていか)が飛鳥(あすか)時代以降の和歌から100首選んで色紙にしたもので、それがかるたになりました。
ちなみに、首(しゅ)とは、和歌の数え方です。
和歌の工夫
このクラスでは、1学期は主に古文の文法を学習しており、7月には、和歌の技巧について学習しました。
5・7・5・7・7の31文字で、喜びや悲しみ、恋愛感情や人生についての想いなど、さまざまな感情・情景を詠(よ)み込んだ和歌。
特に平安時代には、歌合(うたあわせ)という、和歌の優劣を競う行事もあり、さまざまな工夫をされた和歌が詠まれました。
例えば、
吹くからに 秋の草木の しをるれば むべ山風を 嵐といふらむ(百人一首第22番)
(吹くとすぐに、秋の草木がしおれるので、なるほど、山風を嵐と言うのだろう。)
この和歌には、
・「山と風を合わせると嵐という漢字になる」という言葉遊び
・秋の草木を「荒らし」て枯れさせる「嵐(あらし)」というように、1つの言葉に2つ以上の意味を持たせる「掛詞(かけことば)」という技法
の工夫がされています。
それでは、いざ勝負!
小倉百人一首を使ってできるかるたにはいろいろな種類がありますが、今回は源平合戦を行いました。
いつもは古文・漢文の選択者だけの授業ですが、せっかくなので選択していない学生や先生も呼んで、2つのチームに分かれて対戦です。
まず、各チーム50枚ずつの「取り札」をそれぞれ3列に並べます。
相手側の札を取ると、自分の側の札を1枚相手に渡すことができ、先に自分の陣地の札をゼロにした方が勝利となります。
本来は100首をある程度覚えて、札の配置も工夫して行うのですが、今回は初めてということで、一部の決まり字(はじめの数文字を聞くだけで取れる札)だけを簡単に説明して、試合開始。
かるたの読み手は100首の和歌全てを読みますが、「取り札」には後半部分しか書かれていません。
最初はとまどっていましたが、すぐに慣れてきて、どんどん札を取っていきます。
最後はなんと、運命戦(自分も相手も、残り1枚ずつになること)に。


敵陣の札を力強く払い飛ばして、生徒2名のチームが勝利しました。
古文は、普段なかなか接する機会がないので勉強が大変ですが、かるたを通して親しむ時間になってくれたらと思います。